吉川尚が侍J遊撃で存在感 巨人は「サード坂本」に現実味
侍ジャパンの吉川尚輝(24=巨人)が10日、メキシコ代表との強化試合第2戦に「1番・遊撃」でスタメン出場した。稲葉監督は先月の選出時、「(巨人では)セカンドだけど、ショートもやってもらおうと考えている」と予告していた。二回にはペレスの打球を逆シングルで捕球し、ジャンピングスローでアウトにするファインプレー。1失策したものの、10度の守備機会をこなし、能力の高さを見せた。
本職はむしろこっちである。中京学院大時代までは遊撃手。巨人には坂本勇人(30)という絶対的な存在がいるため、プロ入り後は二塁へ回っていた。
この吉川尚の遊撃守備が巨人内でも評判がいい。3月上旬のオープン戦で遊撃に入り好プレー。能力を高く評価している原監督は「三遊間の深い所からのあのスローイングは勇人に匹敵するか、もしくは(超えている)というぐらい」と絶賛したほどだ。昨季、坂本勇が左脇腹肉離れで離脱した際も遊撃に入り、守備範囲の広さと強肩で当時の高橋由伸監督をうならせている。
そもそも、30歳になった坂本勇の後継者育成は、「巨人再建のカギ」とされてきた。今でも押しも押されもせぬ大黒柱ではあるが、すでに11シーズンも正遊撃手を託されている。昨季の故障離脱を挙げるまでもなく、肉体的な負担が大きくなっているのは事実。根尾(中日)を1位指名した昨秋のドラフト前、長谷川スカウト部長が「坂本がサードに回る時間が早ければ早いほどチームとしては、すごく戦力強化になる」とまで話している。根尾の抽選は外したものの、構想はまだ消えていない。