虎にサヨナラ負け3位転落 巨人によぎる交流戦“負のデータ”
三塁ベンチにボー然とする巨人ナインの顔が並んだ。29日の阪神戦。延長十二回に8番手の池田が代打の高山にサヨナラ満塁弾を浴びた。
3位に転落した原監督は「粘って粘ってだけどね。最後はちょっと池田に荷が重かったかな。彼は経験値のある投手、というところでしたけど。こういう緊張感のあるゲームの中で、いかに度胸を据えて野球ができるか。見極めるという点ではいいところも出ているし、弱いところも出ている」と疲れた様子だったが、よもやの敗戦には違いない。
初回に丸の8号ソロで先制すると、三回には坂本勇がプロ通算200号となる記念のソロ弾をバックスクリーン左にぶち込んだ。活気づく巨人は四回に大城の適時二塁打でリードを広げ、八回には丸のこの日2本目となる一発が出た。
が、その直後に3番手の沢村がマルテに同点2ランを被弾。お祭りムードが一気に消沈すると、試合の流れは阪神に傾いてしまった。
「九回以降の巨人打線はわずかに1安打。勝ち試合を追いつかれた徒労感からか、まったく元気がなくなった。十一回の無死満塁という絶体絶命のピンチで登板した高木が無失点で切り抜けるという快投を演じたにもかかわらず、それを勝利につなげられない。十二回に無死一塁の好機をつかみながら、原監督は打率3割2分超で最も期待のできる坂本勇に送りバントをさせた。これが決まらず、結局、空振り三振。スポーツ紙は『執念の采配も実らず』と書くのだろうが、裏の攻撃ならまだしも、相手からすれば坂本勇に勝負された方が怖いに決まっている。執念というより愚策でしょう。あの采配が自ら白星を遠ざけたようなもの。相変わらず踏ん張り切れないリリーフ陣といい、交流戦を前に不安が解消されない」(巨人OB)