プロ野球6.19開幕で大丈夫か?3人の感染症専門医に聞いた

公開日: 更新日:

 プロ野球が最短で6月19日の開幕に向けた準備をスタートした。

 11日の12球団代表者会議に続き、12日は臨時オーナー会議を開催。6月中旬から下旬の開幕を目指す方針を確認した。すでに各球団は5月末で緊急事態宣言が解除されることを想定し、早ければ5月第4週から全体練習を再開。6月上旬から約2週間の練習試合の日程調整も進んでおり、中には首脳陣が選手に「6月19日の開幕を見据えて準備してくれ」と伝えた球団もある。

 とはいえ、まだ、コロナ禍が終息するとの見通しは立っていない。6月中に開幕し、シーズンを戦い続けることができるのか。

■コロナと共存を視野に行う

 11日に行われたJリーグとの合同会議で、専門家チームは、緊急事態宣言下での具体的な開幕日の決定は難しいと言及した。その専門家チームのひとりであり、政府の専門家会議のメンバーでもある舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授、日本感染症学会理事長)は、11日の同会議後の記者会見で、「確実に緊急事態宣言の効果が出ており、感染者数が減っていることは非常に大事な事実。ただ、いつどのような状況でクラスターが起きるか、わからないのがこの感染症の怖さ」と話し、開幕するためには、新たなガイドライン作成の必要性を指摘した。

 その舘田氏に改めて6月中の開幕の実現可能性について聞くと、「今よりいい状態が1カ月、1カ月半後まで続いていかないといけないと思います。それまでに何かが起きると延期になりかねない」とした上で、こう続ける。

「6月19日に開幕できるか、今の時点では分かりませんし、何とも言えません。緊急事態宣言が解除されて初めて、開幕日を考えていくことになる。まずはそこまで、頑張ってやっていくしかありません。コロナが終息するまでどれくらいの期間を要するのかは不透明ですから、開幕後も感染リスクはゼロにはならないことを考え、コロナと共存するという考えで公式戦を行うべきだと思います。野球、サッカーのようなスポーツは試合後の選手の免疫力低下に気を配らないといけない。(公共交通機関などによる)移動のリスクもある。感染者が出た場合の他チームとの戦力均衡の問題など、詰めていくべきこともある。そのためのガイドラインを議論していきます」

 今月初旬に無観客で開幕した韓国プロ野球は、5人以上の感染者が出た場合はシーズンを中止し、感染者が出た球場を最低2日間閉鎖するという。日本でも徹底したガイドラインづくりが欠かせない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  2. 7

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  3. 8

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  4. 9

    新庄監督のガマンが日本ハムの命運握る…昨季の快進撃呼んだ「コーチに采配丸投げ」継続中

  5. 10

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に