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六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

追憶のマラドーナ 90年W杯ブラジル戦で見せた一瞬の輝き

公開日: 更新日:

 グループBを1勝1分け1敗の3位で何とか通過したアルゼンチンの決勝トーナメント1回戦の相手は、3戦全勝で勝ち上がってきた優勝候補のブラジルだった。もちろんラウンド16で南米の優勝候補同士が顔を合わせることになったのは、アルゼンチンが想定外の3位に低迷したからである。

 同じようなことがグループFでもあった。

 オランダとアイルランドが3分け・得失点差±0で並び、抽選によってオランダが3位となり、決勝トーナメント1回戦で優勝候補の最右翼・西ドイツと対戦することになった。

 見逃せない2試合ではあったが、試合日が6月24日と重なったので筆者はスイスとフランスに国境を接するトリノでのアルゼンチンvsブラジルを取材した。ユベントスとフィアット社の本拠地として知られているが、当時のユベントスには両国の選手がいないせいか、街行く人々の反応も冷めている印象を受けた。

 もし西ドイツvsオランダのカードだったら、凄まじい盛り上がりを見せたのではないだろうか? トリノの<お隣り>ミラノを本拠とするインテルの主力はマテウス、クリンスマン、ブレーメの西ドイツ代表トリオ。近隣のライバルであるミランにはフリット、ファン・バステン、ライカールトのオランダ代表トリオがいたからである。

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