女子レスリング川井友香子を直撃「史上初の姉妹で金を」
川井友香子(女子レスリング62キロ級・23歳)
東京五輪でのメダル量産を目指す女子レスリングの新星だ。2018年の世界選手権(ブダペスト)で銀メダルを獲得し、姉でリオ五輪63キロ級金メダルの梨紗子(26)と初めて国際舞台の表彰台に立った。翌19年の同大会(カザフスタン)では、姉は優勝、妹は3位に入り、揃って五輪代表を勝ち取った。五輪本番では、史上初となる姉妹での金メダル取りに挑む友香子を直撃した。
――東京五輪の延期は受け入れられましたか。
「こんな状況なので、延期は仕方のないことだと思います。正式に延期が決定する前から、『東京五輪の開催は厳しい』とみられていたので、何となくですが予想はしていました。気持ちを切り替えて練習に取り組みました。全てが元通りになったわけではないですが、練習自体はできています。不安はありません」
――今年(20年)の4月から社会人になって何か変化はありました?
「学生の時は授業や大学の練習との兼ね合いもあり、時間がありませんでしたが、社会人となり余裕ができたので、東京などで練習できるようになりました。部活動でやっていた学生時代とは違い、今は会社員でありながら、自分の好きなことをやらせてもらっているので、責任感を持って毎日、練習しなければならないと考えるようになりました。仕事の一環としてレスリングをやっています。責任感が芽生えて結果を残すことで、お世話になっている会社に恩返ししたいと思っています」
――五輪出場、金メダル獲得を意識するようになったのはいつですか。
「最初に五輪を目指そうと思ったのは、2016年のリオ五輪に姉の応援に行った時でした。その頃の自分はまだ弱く、五輪を目指して頑張ってみようという程度でしたが、その後は目の前の目標を一つ一つ達成していって、『もしかして自分も五輪を狙えるかもしれない』と思ったのは世界選手権で銀メダルを獲得した2018年でした」
――国際大会で結果を残せるようになって自信が芽生えた?
「日本国内でいくら勝っても、外国人相手に実績がなければ五輪には出場できません。国際大会で実績を残せたのは自分の中で大きなことでした。今、振り返っても、2018年の世界選手権がポイントになりました。その頃はまだ、五輪に出場できるかもしれないという程度でしたけど去年(19年)、東京五輪代表が内定して初めて姉と2人での金メダルが目標になりました。まずは代表にならないとマットにすら立てないので」