セ新人王レース“ダンゴ状態”の熾烈! ヤクルトVなら奥川、阪神Vなら中野か伊藤将

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 ヤクルト阪神巨人によるセ・リーグの優勝争いはまだ先が見えないが、新人王レースもダンゴ状態だ。

 候補は別表に挙げた6人だろう。新人王はMVPやベストナインと同じく記者投票で決まる。

 記者が悩むのは佐藤輝の取捨ではないか。開幕2戦目にプロ1号を放つと、その後も新人離れした豪快なアーチは阪神快進撃の原動力となった。

 しかし、8月19日に球団新人の最多本塁打記録を52年ぶりに更新する23号を打って以降はサッパリ。野手の連続無安打のワースト記録54を更新中だ。

 佐藤輝の巻き返しがなければ、新人王はDeNA牧と広島栗林に絞られたと見る向きも多い。牧は62年ぶりに球団新人最多安打を達成。30日のヤクルト戦でも2打席連続弾を放ち、主力として十分な働きをしている。

 東京五輪の金メダルにも貢献した守護神の栗林は、リーグ2位の28セーブ。こちらも多くの票を獲得すると予想される。

 在阪メディア関係者がこう言う。

「牧と栗林が有力であることに異論はないが、ここにきて評価を上げているのが阪神左腕の伊藤と遊撃の中野です。とくに中野は守備範囲が広く、チームのピンチを何度も救ってきた。6―6で引き分けた24日の巨人戦の九回に見せたダイビングキャッチからバックホームでのアウトは中野ならではのプレー。打撃も得点圏ではけっこう走者をかえしているし、リーグトップの24盗塁でタイトルも射程圏内。伊藤は勝ち星を2ケタに乗せたいところです」

優勝を争うチームの1勝の価値

 1967年、東映(現日本ハム)で新人王(45試合15勝11敗、防御率2.46)になった高橋善正氏はこう見る。

「私の頃(60年代)は投手なら15勝以上が前提条件のようになっていた。野手も大した成績でなければ該当者なしの年が結構ありました。新人王は優勝チームから選ぶという決まりはないが、優勝を争うチームとBクラスチームとではプレッシャーだけでなく、1勝の価値も異なる。成績が多少劣ったとしても、優勝に貢献した選手を選ぶべきです。このままヤクルトが逃げ切り優勝を果たし、奥川が10勝すれば新人王にふさわしい。ここまで7試合(47回3分の2)連続無四球も立派。阪神が優勝すれば中野と伊藤の争いにならなければおかしいですよ」

 まったくだ。 

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