Jリーグ「ホームタウン制度撤廃」はあり得ない あるとしたらマイナーチェンジ
東京をホームタウンにできなかった三菱と日立は、埼玉に着目した。「サッカー御三家」と言われた静岡には清水エスパルスが、広島にはサンフレッチェ広島が発足したが、御三家の一翼を担っていた埼玉県にはJSLのクラブがない。
浦和市(2001年に大宮市、与野市と合併。さいたま市となった)を始めとする埼玉県のサッカー関係者たちは、高校まで選手を育成してインターハイや選手権でいくら活躍しようとも「大学生や社会人になると東京のチームに出て行って地元に戻って来ない」ことが最大の悩みの種だった。
そこで浦和市はプロリーグ誕生に合わせて積極的にチームを誘致した。その結果、三菱が浦和市をホームタウンにすることになったが、両者の<結婚>は、結果的に大成功といえる。
そして日立は、千葉県柏市をホームタウンにして地元ファン、サポーターの獲得に努めた。一時は茨城県日立市に自社工場があるので「日立市をホームタウンにしよう」という機運が盛り上がったが、Jリーグによって却下された。結果論とはいえ、今となっては柏で大正解だったのではないか。