「会社登録」社会人チーム激減で…最近は「育成」でもプロに入りたい選手が増えている
各球団で増えている「育成契約」。阪神スカウトの時、よく「育成でもプロ入りした方がいいのか」と聞かれたが、これは難しい問題である。
例えば陽川尚将は、金光大阪3年時のドラフトで、巨人から育成3位で指名されたが、東農大への進学を選択。2013年ドラフト3位で阪神入りした。
たとえ育成選手でも、入寮後の食事内容や部屋などの環境は、支配下の選手と同じ。寮生活の中で差別されることはない。
巨人やソフトバンクと比べ、阪神は育成で指名する人数が少ないこともあり、そこから支配下契約を勝ち取り、一軍の戦力になった選手は少ない。10年育成2位で入り、19年に中継ぎ左腕としてチームトップの63試合に登板。11ホールドで防御率1.67の成績を残した島本浩也くらいではないか。
育成でもプロから指名されるような高校生は、有力な大学からも声がかかっている。
どちらに進むかは、親の立場なら悩ましいところだが、スカウトの立場から言わせてもらうと、「3位縛り」のように順位を指定することなく、「何位でもいいからプロに入って稼ぎたい」「育成でもいいからプロに入って頑張りたい」とキッパリ言える方がプロ向きといえる。