97年は最終戦でヤクルトのホージーを四球で歩かせただけで終わった
打ち取りたい気持ちが強いあまり、万一、本塁打を打たれれば松井に申し訳ないし、ホージーを抑えるというより、ホージーに本塁打を打たせないためのワンポイントだから四球の方がマシだと考えた。そしてホージーを歩かせて降板した。最終的にホージーがタイトルを獲得したが……。
前年のオリックスとの日本シリーズでは3試合に登板。チームは敗れたとはいえ、3試合とも首位打者のイチローと、本塁打と打点の2冠王になったニールを完璧に抑えただけに、翌97年に向けて良い流れができたと思った。
しかし、この年、私の登板はこの1試合。打者ひとりに対して四球。ホージーを歩かせただけで、巨人3年目のシーズンは終わった。
■戦力はいくらでもある
戦力のないチームであれば、現有戦力でやりくりしなければならないけれども、巨人というチームはそうではない。結果を出せないと判断した選手は使わないし、足りないと思えばよそから取ってくる。戦力はいくらでもあるのだ。
抑えるというより、本塁打を打たせないためのワンポイント起用だけに終わった私は、今後についてどうしたらよいかと自分の中で考えながら秋季練習に参加、契約更改に臨むことになる。(つづく)