ロッテ佐々木朗希が1カ月ぶり実戦で162kmマークも…後半戦も“慣らし運転登板”を続ける理由

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肩肘はまだ10割の出力に耐えられない

 さらに驚くべきは、佐々木は硬いマウンドによって投球フォームにズレが生じた理由、それを投げている間に修正できなかった原因を、その日のうちに把握していたことだという。

「ひと言で言えば、体力のなさだそうです。佐々木は昨シーズン中、体力のなさを痛感したようで、オフから定期的に都内のジムに通ってトレーニングを続けていますが、それでもまだまだ鍛え方が足りないと認識したのでしょう。これまで以上にトレーニングに力を入れるようになったといいます」(前出のOB)

 27日の最速は162キロ。自身の最速は4月の164キロ。ストレートはコンスタントに160キロ前後をマークするけれども、それでも目いっぱい、腕を振っているわけではない。「力の入れ具合はせいぜい8割程度」(前出のOB)とか。

 佐々木の肩肘はまだ、10割の出力に耐え得る強度にないからで、それは本人も理解しているという。トレーニングを積み重ねることによって10割の力で投げられるようになれば、大谷がマークした日本人最速の165キロを上回るのは確実だが、佐々木はまだそこまでの段階に達していないということだ。

■「空間把握能力に長けている」

 前半戦終了時点でのロッテは、首位ソフトバンクから2ゲーム差の4位。17年ぶりのリーグ優勝も視野に入れているが、それでも佐々木はこれまで通り、登板間隔や球数を配慮した体調次第の登板が続くことになる。

 昨年までの一軍投手コーチで、現ピッチングコーディネーターの吉井理人氏は古田敦也氏のYouTubeで佐々木の現状とスゴさについてこう言っている。

「今年は頑張っているけど、まだお試し期間中」「まだフルではいかないでおこうと。本人もその方がいいですと言っているので、100では投げてないです。クイックでも160(キロ)が出るんで。よっぽど体の使い方がうまいんだと思う」「まだ球数制限をしないと波は出ると思う。回復力も年々ついてくると思うけど、まだ足りない」「ダルビッシュと佐々木は空間把握能力に長けていて、自分の体の動きを俯瞰できる」

 佐々木が100の力で投げられるようになったら、いったい、どんな投球をするのか、けだし見ものではないか。

 登板後の本人は「実戦登板は1カ月ぶりだったので緊張しました。1回をしっかり投げ切れたので良かったと思います。160キロが出てくれたのでホッとしています。セ・リーグのバッターは打つし、強いので変化球も投げたかったんですけど、サインが出なかったので」と話した。

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