防御率は共に3点台と振るわないが…それでも菅野と田中将の最終チェックが必要な理由
共に制球力のある投手だが、最近の登板をビデオで見ると、そのコントロールの良さがアダになっている気がする。投球がまとまり過ぎているがゆえに、荒っぽさがない。打者からすると、怖さがないのだ。
制球の良さは全盛時なら武器になるが、球威や球速が落ちたいまとなっては、むしろ的を絞られやすい。意識して荒れ球を使ってもいいのではないか。
そこまで言うなら、千賀を見たら帰ればいいと思うかもしれない。
しかし、ノーだ。映像とデータだけで、選手は評価できない。例えば菅野は152キロを投げたが、年齢的な衰えから下半身の粘りがなくなれば、体の開きが早くなる。打者からすると球が見やすく、とらえやすい。つまり球速だけで選手の実力は測れないのだ。逆に菅野も田中も、9月には劇的に投球が改善されている可能性もある。
ポテンヒットだろうと安打は安打。審判との相性や球場の広さなどによっても結果は変わってくる。ダッグアウトでの振る舞い、打席やマウンドでのしぐさも、選手の精神面を把握する上で重要な要素だ。
私は現場で1試合見ただけで精も根も尽きるほどヘトヘトになる。それくらい選手をチェックするポイントは多岐にわたるわけで、だからこそ日本にも足を運ぶし、田中や菅野のチェックも必要と思うのだ。
(メジャーリーグ覆面スカウト)