野口みずきを育てた名将が全国中学校駅伝に警鐘「成長期の生徒を鶏ガラにしてはいけない」

公開日: 更新日:

「中学生は上にも横にも伸びる成長期。長距離を専門にやらせるのは身体への影響が心配です。全国大会に出れば誰しも勝ちたい。全国大会なら尚更練習量も増える。全国大会は芝の上を走るが、日頃の練習では公道を走ることもあるでしょう。今大会を走り、後に五輪に出た選手(小林祐梨子、卜部蘭など)もいるが、全国優勝して燃え尽きたり、陸上を続けても思ったほど伸びない選手も少なくない」

 さらに藤田氏は続ける。

「私が実業団の監督時、トラックで高校のチャンピオンになった者は一人しか採用していない。高校のトップ選手には入社後の伸びしろを感じなかったからです。京都は高校や全国女子駅伝の舞台にもなっているので駅伝が盛ん。中学の全国大会では桂中の女子が14年から5連覇し、昨年は男子も優勝した。京都には1987年から小学生が公道を走る大文字駅伝もある。6年生の男女48チームが8区間(12.386キロ)を走る大会でここ2年はコロナで中止になり、来年からは休止が決まった。上位を目指す学校の練習量が多くなったり、生徒が脚やひざを痛めるなど、身体への悪影響が懸念されることが理由と聞いた。それは中学生も同じではないか。テレビの生配信で選手の気持ちはますます高ぶる。加熱する練習で中学生を鶏ガラにしていけない」

 駅伝ニッポンの弊害だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動