著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

藤浪晋太郎所属のアスレチックス「ラスベガス移転決定」までの5つの紆余曲折

公開日: 更新日:

 藤浪晋太郎の所属するアスレチックスのラスベガス移転が決まった。

 ア軍はカンザスシティーを離れて1968年に、サンフランシスコに隣接したオークランドに移転。野球・フットボール兼用のオークランド・コロシアムを本拠地とした。ア軍はその後、30年間でワールドシリーズ制覇4回の強豪チームになるが、球場周辺の治安の悪さやコンクリートの塊のような旧式の本拠地球場が災いして観客動員は伸びなかった。

 それに対し、ライバル球団のジャイアンツは成績はそこそこなのに観客動員はア軍の上を行き、2000年にジ軍の新球場が誕生してからは大差がつくようになった。

 そうなるとア軍も新球場を欲しくなる。経営陣はオークランド市に新球場の用地を提供してくれないかと持ちかけた。ここから23年にも及ぶ球団と市側のせめぎ合いが始まった。

■第1ラウンド

 球団は新球場建設のため、市が所有する一等地を提供してほしいと申し入れたが、拒否された。その後、市から別の地域(エスチュアリー地区)にある土地を提供する用意があると提案されたが、球団の調査でその土地の大半が既に開発業者に売却済みであることが判明したため受け入れなかった。

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