大リーグを悩ませる学生ローン問題 バイデン政権の“返済免除”政策に連邦最高裁がNO
「中間層の復活」はオバマ政権時代に主張され、現大統領のバイデンも政権の根幹に据えている政策だ。
バイデン政権が学生ローンの返済の一部免除を重要な政策としたことは、やがて次世代の中間層となるはずの大学生を経済的な負担から解放するためだった。
■連邦最高裁が憲法違反に
しかし、6月30日に連邦最高裁判所がバイデン政権の政策を憲法違反としたことは、米国民に衝撃を与えた。何より、約4300万人とされる対象者にとどまらず、返済免除を公約に掲げてきたバイデンの大統領再選のための戦略にも影響を与えるのは必至である。
確かに、連邦最高裁の判断にも一理ある。すなわち、バイデン政権の学生ローン返済の一部免除は、大学に進学しなかったために学生ローンを借りなかった者や自力で学費を工面した者、さらにはすでに完済している者に不公平な政策である。こうした政策については議会の賛同を得るのが適切なのに、政権が一方的に大規模な返済免除を行うのは権限の逸脱と批判されても仕方のないものだった。