横綱・照ノ富士は宇良“秒殺”で白星発進も…腰に爆弾抱え「速攻相撲」が命綱に
「凄いパワー? まだ……。本気を出せば折れていたかもね」
取組後、事もなげにそう言ったのが横綱照ノ富士(32)だ。
14日の1月場所初日は結びの一番で業師の宇良と対戦。
もろ差しを許した横綱は、相手の右腕を左腕で抱え込むと、力任せの小手投げ。こらえて振り回される宇良の右腕があらぬ方向に曲がったように見え、国技館内は大きくどよめいた。
最後は土俵のほぼ中央から押すと、宇良は勢いよく吹っ飛んで土俵を割った。
47本の懸賞を受け取り、意気揚々と支度部屋に戻った照ノ富士。報道陣に「まず相手の動きを止めようと思ったのか」と聞かれると、「止まっても(宇良は)力が強いんでね。じっくりいこうと思った」と話した。その意に反し、取組時間は8秒01の“秒殺”だったものの、照ノ富士にとっては「うれしい誤算」ではないか。
今場所は、昨年7月以来となる3場所ぶりの出場。2022年10月にメスを入れた両ひざは安定しているとはいえ、昨年7月に腰のヘルニアが判明し、同9月には腰の骨の一部が折れていることも明らかになった。