なでしこは米国とブラジルに連敗で最下位終戦も「正常進化中」…パリ五輪ではメダルを狙える
試合を通して攻勢が目立ったのはブラジルだった。なでしこは決定機を迎えるも、詰めの甘さもあって2点目、3点目を決めることができなかった。
7月開幕のパリ五輪の前哨戦とも言うべき大会で結果を残せず、先行きを不安視する報道もあるが、そんなに悲観することはない。
それどころか五輪本大会でなでしこは、ライバルとの戦いで持ち味をいかんなく発揮し、メダル獲得も夢ではないと思っている。
五輪優勝候補のアメリカ戦でも同じことを感じたが、世界ランク以上の強さを感じさせたブラジルとの一戦でなでしこは「ただただ守ってカウンター攻撃に活路を見出す」ような消極的な戦いをせず、実にフレキシブルな攻撃を展開した。
どんなに守勢に回っても後方からビルドアップしていき、中盤できっちりとボールを回して攻撃を組み立て、左右からのサイド攻撃や中央突破に加え、局面に応じてロングボールを交えるなど多彩な攻撃を見せた。
後半序盤に印象的な場面があった。
GK山下杏也加(INAC神戸)から縦パスを受けた長谷川が、前を向き直してピッチ中央付近のMF上野真美(広島)と鋭いパス交換。リターンのボールを2列目に下がった田中の足元に送った。