西武再建に“身売り”という選択肢は?《今の球団上層部は野球を知らず興味もない》悲惨な現状
別の古株OBが言う。
「一軍半ばかりの野手を見る限り、コーチの指導や育成システムが機能していないことは明白です。そのためにはカネを投じ、優秀なコーチやスタッフを集めなければいけないのだが、今の球団上層部の大半は野球を知らないし、興味がないんでしょうね。だから渡辺GMの言うことには『はい、はい』と従うが、それもカネを出さない範囲でのこと。オーナー以下、フロントを改革しない限り、誰が監督をやっても勝てるはずがない」
となれば、もはや身売りしかないのか。今年5月、親会社の西武HDは赤坂プリンスホテル跡地にある複合施設の売却を決定。すでに30近い関連施設を外資などに売り払った。親会社が経営難にあえいでいるのだから、そちらの援助もアテにできない。
勝てないチームに客足も遠のいている。コロナ前の2019年は1試合平均2万5299人だったが、昨季は同2万40人、今季も2万1092人と減少。
「それでも純利益はプラスらしい。それが問題なんです。渋チン経営で利益が出ているのだから、西武HDも『ライオンズは現状維持でよし』と考えてしまい、ますますカネを投じようとはしない。これではいつまでたっても強くなれませんよ」(前出の球団OB)