巨人今秋のドラフト戦略は左腕・井上温大の働き次第…狙うは即戦力和製大砲か、将来の候補か
現段階の「1位有力候補」は創価大内野手・立石正広
そこで井上である。
安定感を欠いたオープン戦では、阿部監督に「何球投げるんだ。間合いも長いし、ボール、ボールばかり」と苦言を呈されたこともあったが、フタを開けてみれば、開幕後は別人のように好調を維持している。
「井上が昨季の8勝を超える活躍でブレークを果たせば、無理に上位で左投手を指名しなくて済む。心置きなく欲しい右の強打者を指名できますから」(前出のOB)
巨人が現段階で「1位の有力候補」と位置付けているのは、創価大の立石正広(4年=高川学園)だという。
立石はNPB6球団が視察した20日の東京新大学リーグ、杏林大戦に「3番・二塁」で出場し、2安打2打点の活躍を見せた。巨人のスカウトは「右打者では(昨年ロッテ1位の)西川と同レベル」と熱視線を送っているのだ。
「初回に二塁走者として、50メートル6秒0の俊足を飛ばして単打で生還。二塁の守備も堅い。3年までは三塁手でこちらが本職。足の速い選手のセーフティーバントをランニングスローでアウトにするなど内野守備の評価も高い。今年はプロで活躍の場を広げるため、あえて二遊間であるセカンドに挑戦している。非凡な打撃だけでなく、スナップの強さ、送球の正確性といった守備力や走塁も武器にしている総合力の高い選手です」(前出のスカウト)
立石は3年時に出場した昨秋の明治神宮大会で、大学生野手ナンバーワンの座を確固たるものにした。1回戦の仏教大戦で先制2ランを含む3安打、2回戦の富士大戦は2安打、準決勝の環太平洋大戦は2ランを含む3安打、青学大との決勝も2安打。大会最多記録を更新する10安打をマークし、打率.667、2本塁打、6打点と打ちまくった。メジャースカウトも注目し始めたほどだ。
巨人は現在、三塁の坂本が不振で二軍調整中。一塁から三塁へ回った岡本も今季限りで海を渡る可能性がある。そうなると、4番打者と一塁、三塁のポジションがポッカリあくことになる。
井上は巨人の準エース格になりつつある。その働き次第で、ドラフト1位指名の選手が変化するというから、間違いなくキーマンといえそうだ。
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巨人のドラフト戦略と言えば、スカウト幹部が佐々木麟太郎をチェックするために、わざわざスタンフォード大まで足を運んだことが話題になっている。27年秋が焦点となるが、獲得への「本気度」はいかほどのものなのか。
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