歴代3位通算320勝・小山正明さんを悼む…とにかく、カッコいい人だった(山崎裕之/元ロッテ、名球会)
左翼ポールから右翼ポールまで、小山さんが直線、飯島がフェンス沿いを走ったと記憶している。
きれいな投球フォームも、「針の穴を通す」といわれた制球力も、足腰の強さがあればこそだったように思う。
私が二塁を守る前、まだ、遊撃手だったころの話だ。
小山さんは当時、パームボールを武器にしていた。シュート回転しながら落ちるかと思えば、スライドして沈むこともある。打者を内野ゴロに仕留める決め球だった。走者を出し、併殺が欲しい場面になると、マウンド上の小山さんは内野手に「次はパームボールを投げる」というサインを出してくれた。
このパームボールが威力を発揮し、面白いように併殺が決まった。配球もコントロールもバツグンで、内野手は守りやすかった。
歴代3位の通算320勝。引退後はオリオンズ、阪神、西武などでコーチを務め、多くの投手を育てた。享年90。ご冥福をお祈りいたします。