「屋鋪要の保存蒸機完全制覇」屋鋪要著
■前人未到!現存する蒸気機関車全601両を撮影
横浜大洋ホエールズなどで活躍した元プロ野球選手の著者が、国内に現存する蒸気機関車全601両を撮影して歩いたビジュアル・SL紀行。
氏は11歳のときに同級生に見せられた写真集で蒸気機関車の魅力に開眼。以来、野球の練習の合間にカメラが趣味だった父親と九州から北海道まで蒸気機関車を求めて旅したが、中学で野球一筋の生活となり蒸機とは疎遠になってしまった。
それから30余年が過ぎ、息子と出かけた交通博物館で、今は亡き父親と初めて撮影旅行に出かけた北海道で対面した「C57 135」と再会し、全両撮影への思いが芽生えたという。
その「C57 135」から、南大東島でサトウキビを運搬する専用線で働いていた「大東製糖2号機」(大日本軌道製12トンCタンク)まで、7年余の歳月をかけ全601両を撮影した旅の記録だ。
関西本線亀山駅で父とともに撮影した「C50 154」との35年ぶりの再会など、役目を終えて今は公園などで余生を送る各蒸機の写真とともに、父の貢氏が撮影した現役時代の同機の雄姿も併せて紹介。旅を通じて、著者は再び親子の時間を過ごしているようにも感じられる。