「ニッポン景観論」アレックス・カー著

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 その他、山の斜面を覆う擁壁や、河川の護岸、そして海岸線の消波ブロックなど、自然に対する「尊敬の念」もなく、コンクリートを多用した公共工事の産物たちや、「奇抜なものをつくることが地域発展につながる」と信じて建てられた地方自治体による建築物などを俎上に載せる。

 改めて指摘されると、これまで見慣れた風景が、実は目を覆いたくなるような光景であったことに気づかされる。

 その上で著者は、これからは、足し算の工事ではなく、こうした汚れてしまった国土を「大掃除」する引き算の公共工事をすべきだと提言。観光立国、2020年の東京五輪を目指し、日本が何から取り組むべきかを教えてくれる。

(集英社 1200円)


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