「21世紀に、資本論をいかによむべきか?」フレドリック・ジェイムソン著 野尻英一訳
米国を代表する現代思想家が、マルクスの資本論を読み解いたテキスト。
通常、マルクス主義は、資本主義の矛盾とは生産力と生産関係との間の矛盾であるとする。教科書的な解釈を拒否する氏は、資本論は、現代の状況に当てはめればフリーターやニート、ひきこもりなどの「ロスト・ポピュレーションズ(失われた人々の層)」についての書物だと主張。
資本主義の矛盾とは、資本主義がロスト・ポピュレーションズを生み出すことにあると説く。フランスの経済学者、トマ・ピケティの話題の「21世紀の資本」とはまた異なる視点で資本論を論じた注目の書。
(作品社 2400円+税)