「EPITAPH東京」恩田陸著

公開日: 更新日:

 Kは東京を舞台にした長編戯曲〈エピタフ東京〉を書こうとしていたが、構想がわかない。あるとき、たまに寄るバーで、自分は吸血鬼だと称する吉屋という男に、東京の街の秘密を支配しているのは忘れられた死者だと教えられた。

 Kは大手町にある将門塚、松戸にある東京都の霊園、八王子の昭和天皇の霊廟など、死者にまつわる土地を回るが、そんななか、ふと思いつく。東京の墓碑銘(エピタフ)として「あの頃はよかった。」はどうだろう? そして徐々に〈エピタフ東京〉が姿を現しはじめる。

 Kの日常と吸血鬼・吉屋の日常、戯曲の世界が絡まり合う奇妙なファンタジー。(朝日新聞出版 1700円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  2. 2

    芳根京子“1人勝ち”ムード…昭和新婚ラブコメ『めおと日和』大絶賛の裏に芸能界スキャンダル続きへのウンザリ感

  3. 3

    大リストラの日産自動車に社外取締役8人が「居座り」の仰天…責任問う大合唱が止まらない

  4. 4

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  5. 5

    長澤まさみの身長は本当に公称の「169センチ」か? 映画「海街diary」の写真で検証

  1. 6

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 7

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 8

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  4. 9

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由

  5. 10

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ