「EPITAPH東京」恩田陸著

公開日: 更新日:

 Kは東京を舞台にした長編戯曲〈エピタフ東京〉を書こうとしていたが、構想がわかない。あるとき、たまに寄るバーで、自分は吸血鬼だと称する吉屋という男に、東京の街の秘密を支配しているのは忘れられた死者だと教えられた。

 Kは大手町にある将門塚、松戸にある東京都の霊園、八王子の昭和天皇の霊廟など、死者にまつわる土地を回るが、そんななか、ふと思いつく。東京の墓碑銘(エピタフ)として「あの頃はよかった。」はどうだろう? そして徐々に〈エピタフ東京〉が姿を現しはじめる。

 Kの日常と吸血鬼・吉屋の日常、戯曲の世界が絡まり合う奇妙なファンタジー。(朝日新聞出版 1700円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる