世界各地から若者たちが詰めかけているともいわれる「IS台頭の背景」はなにか

公開日: 更新日:

「カリフ制再興」中田考著

 ISはイラクとシリアにまたがって領土を実効支配した点でこれまでの国際テロ組織とは違うとされる。だが、著者はそれは無意味という。ISの意義は「カリフ制」を再興させたことだからだ。

 カリフは預言者ムハンマドの後継者のこと。しかしこの地位の継承は歴史の屈曲と宗派の違いで解釈が分かれ、外部にはわかりにくい。おまけにISは現代的な「グローバリゼーションの過程で生まれた若者文化の現象形態の一つ」でもあるため、既存の宗教観だけでも評価できないのだ。

 本書は日本では数少ないイスラム法学の専門家によるカリフ制解説書。(書肆心水 1800円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ