「子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち」黒川祥子著
「サーバリックス」と「ガーダシル」は子宮頸がんの予防ワクチンとして2010年から「接種緊急促進特例」の公的補助を得て公費負担となった。ところがこれを接種した小6から高1までの少女の中から記憶障害や視力障害、頭痛、体が勝手に暴れ出す不随意運動などの副作用が次々に表れた。東京医大の医師はワクチン製剤に疑問を投げかけたが、厚労省の検討部会は「問題なし」。
本書はこの問題を追及し、副反応に苦しむ少女や自責の念に悩む母たちをとらえた純度の高いヒューマンドキュメントだ。(集英社 1600円+税)