「総理の実力 官僚の支配」倉山満著
2014年12月、安倍総理は全野党が増税延期に賛成しているにもかかわらず解散を強行した。総理が財務省に逆らえなかったからだ。議院内閣制のモデルであるイギリスでは予算は政治家が作るが、日本では財務省が作り、国会は承認権をもっているだけである。すべての省庁の予算を握る財務省は強大な権力をもっているのだ。また、内閣法制局は内閣が提出する法案をすべて審査する権限をもっていて、すべての法案にダメ出しすることができる。かつて安倍総理が送り込んだ小松法制局長官は局内でいじめにあって〈殉職〉した。総理大臣をも支配する官僚の実像を暴いた一冊。
(TAC出版 1300円+税)