「シャッター通りの死にぞこない」福澤徹三著
闇金で働いていた「おれ」は、社長の斧田に殺されかけ、会社の金3000万を持って逃げ出す。逃走中、空腹を満たすために寂れた田舎町・子鹿町に降り立ったところ、スナックで居合わせた客の賢吾から話しかけられ、事前に用意していた通りイベント会社の社長だと名乗る。
そして、商店街の青年部に所属する賢吾から、町おこしのイベントを手伝って欲しいと頼まれ、渋々打ち合わせに参加しているうちに、実家の洋装店を手伝う真衣に一目惚れし、その夜も街にとどまってしまう。翌朝、金を入れたアタッシェケースが消えていることに気づいたおれは、イベントを手伝うふりをしながら犯人を捜す――。
ブラックユーモアに満ちた痛快コメディー。(双葉社 657円+税)