「幕末明治異能の日本人」出久根達郎著

公開日: 更新日:

 勤倹節約で知られる二宮金次郎は、〈奇智〉の人でもあった。広大な竹林を金をかけずに畑にしたいと相談され、無料でタケノコ掘り放題と触れまわったら、村人が大喜びでタケノコを掘った。その穴に山芋を植え、今度は山芋掘り放題と言ったら、村人が長い山芋をとるためかなり深く掘ったので竹の根が傷み、竹が枯れた。そこでそれを焼き畑にしたという。金次郎は、無私で、人のために尽くす人だったため、その精神は幸田露伴などに引き継がれ、明治の日本を支えた。

 他に清水次郎長など、幕末明治に生きた〈埋もれた傑物たち〉の人生をエピソードでつづる。(草思社 1700円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に