「不惑のスクラム」安藤祐介著

公開日: 更新日:

 入手した錠剤を手に、死に場所を探して江戸川にたどり着いた良平の前に、楕円のボールが転がってきた。河川敷のグラウンドで中年ラグビーチームが練習中だったのだ。近寄ってくる老ラガーマンを追い払おうと、良平が蹴ったボールはグラウンドの中央に落ちる。良平を経験者と見抜いた老ラガーマンに強引に誘われ練習を見学。元一流商社の常務で、チームの会長という老ラガーマンの宇多津に勧誘された良平は、派遣の仕事を再開し、ネットカフェから練習に参加するようになる。試合が近づき、良平は入院中の宇多津を見舞い、6年前に自分が起こした事件の新聞記事を見せる。

 それぞれの事情を抱えながら生きる中年ラガーマンたちを描いた感動作。(KADOKAWA 1600円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情