「自民党と創価学会」佐高信氏
参院選で安倍晋三首相らが声を張り上げているのが「民共」批判だ。選挙区で民進党など野党は統一候補を立てた。共産党は多くの選挙区で、立候補を断念した。それを安倍らは「野合」と批判。自分たちの「正当性」を主張しているのだが、安倍首相に突きつけたいのが、この本である。自民、公明の連立こそが野合そのものではないか。その証拠がつづられている。
「自民党は『自由新報』という機関誌を発行しているんです。その1994年7月5、12日合併号から11月1日号まで『公明党=創価学会の野望』という連載が掲載された。さらに12月6日号から翌年の1月17、24日号まで続編も掲載されています。これを読み直した時に、いまこそ、自民党の野党に対する野合批判のご都合主義を糺さなければならないと思いました」
なにしろ、この連載は、公明党=創価学会を、ケチョンケチョンにぶっ叩く内容なのである。1993年、細川政権が誕生し、自民党は下野した。自民党を飛び出した小沢一郎が細川護煕を担ぎ出し、公明党を引き込み、7党連立を組んだのである。その後、細川政権は下野、羽田政権を経て、自民党は社会党の村山富市を担ぐというウルトラCの“野合”で政権に復帰する。