ノーパン喫茶の発祥は京都の「ジャーニー」

公開日: 更新日:

「人生エロエロ」みうらじゅん著 文春文庫 700円+税

〈人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた〉

 そんな書き出しで週刊文春に連載中の人気コラムが文庫化された。

 80年代初頭、超ミニスカで下着をはかない、いわゆる“ノーパン喫茶”が大流行した。京都で暮らす著者は友人に誘われるままに金閣寺近くのノーパン喫茶「モンローウォーク」に入った。著者は〈ガハハ・オヤジなセンスが性に合わなくて、早くブームが通り過ぎることを願って〉いたという意外な一面があり、友達が床に落ちていた縮れた毛を戦利品としてうれしそうにしている横で、ノーパン嬢のものである確率は極めて低いと冷静である。

 ノーパン喫茶の発祥は、1980年、大阪・阿倍野に誕生した「あべのスキャンダル」という説が有力だったが、本書によれば、それより2、3年前、京都に誕生した「ジャーニー」という店が早かったという貴重な証言を記述している。

 70年代、「別冊スクリーン」は中高生にとって外国人ヌードが多いエロ度の高い雑誌だった。自意識過剰の著者は〈数店回ってバァさんが一人座ってる本屋に入って〉買い求めたのだった。

 著者と私は1950年代半ば生まれの同世代、私も「別冊スクリーン」を住まいの所沢ではなく県境を越え東京・東村山まで買いに行った記憶がよみがえってきた!

 実を言うと、1981年「ザ・キャンパス」という私にとっての処女作を書き下ろした際、イラストを誰に頼もうか思案し、武蔵野美術短大に在籍していた私の妹に聞いてみたときがあった。

「牛と埴輪の絵ばかり描いてる変な先輩がいるんだよ。その人に頼んだら?」と言われたのだったが、編集長が首をかしげ、貴重なコラボは実現できなかった過去がある。

 本書は「マイブーム」「ゆるキャラ」といった新語を相次ぎ生み出す「一人電通」の鮮烈なヰタ・セクスアリスだ。

【連載】裏街・色街「アウトロー読本」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由