「風の殺意・おわら風の盆」西村京太郎著
カメラマンの田村の恋人・小野寺ユキが失踪。行方を捜してユキの部屋を訪ねた田村は、彼女が管理人には木村美雪と名乗っていたことを知る。部屋に残された手がかりは、富山県八尾町の「おわら風の盆」で踊る彼女の姿を写したパネル写真だけだった。
田村は、その写真を撮ったカメラマンを突き止める。しかし、そのカメラマン・三浦は1年前に沖縄で撮影中に事故死していた。遺族から三浦が撮影した写真や取材資料を借りて、ユキの手がかりを探す田村を警視庁の十津川が訪ねてくる。三浦の死が他殺と分かり、改めて捜査が始まったというのだ。ユキが八尾の出身だと確信した田村は、祭りを控えた当地へと向かう。
おわら風の盆を舞台にした長編旅情ミステリー。(光文社 600円+税)