日露“ゴマすり外交”の昨今 改めて振り返るロシアの今昔

公開日: 更新日:

「私のロシア文学」渡辺京二著

 名著「逝きし世の面影」で知られた著者は中国・大連からの引き揚げ体験を持つ昭和ヒトケタ世代。若き日には共産党に入党した理想主義者だが、スターリン批判で離党。それでもロシア文学への愛着は深い。本書はドストエフスキーやトルストイ以外にもあるロシア文学の名著を著者なりの視点で語ったエッセー。

 チェーホフ、プーシキン、ブーニン、ブルガーコフなど19世紀の作家を中心に、明治から昭和40年代まで日本の若い世代を強く引きつけたロシア文学の魅力が語られる。ちかごろ見かけなくなった滋味あふれる昔気質の読書随想だ。(文藝春秋 1250円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」