「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている」佐々涼子著

公開日: 更新日:

 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた日本製紙石巻工場の再生のドラマを追ったルポルタージュ。

 世界屈指の規模を誇る同工場に流れ込んだ津波は高さ4メートルに達し、場内には流されてきた民家や乗用車が散乱。従業員の多くは工場の閉鎖を覚悟した。しかし、震災前、年間100万トンもの紙を生産し続けてきた同工場の機能停止は、日本の出版に危機をもたらす。工場長の倉田は、1台でいいから半年で復旧させると宣言。当初は最新鋭機から復旧させる予定だったが、出版業界が待ち望む高度な専門性を持った「8号抄紙機」を最優先させることに。被災者として、そして家庭人として日々を戦いながら、奇跡の復旧を成し遂げた一人一人の戦いを描く感動の力作。(早川書房740円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方