「水中少女」堀川アサコ著

公開日: 更新日:

 1000年前、下半身だけの水死体でこの地に流れ着いた「おれ」は、たたりを恐れた当時の人に祭られ、神になった。といっても、元水死体なので神通力はなにもない。

 ある夜、常駐する遠海神社の本殿に侵入してきた男が、見えないはずのおれに話しかけてきた。男は神様の御利益を売ってくれと、1000万円の札束を差し出す。男は、その金で心の闇から救い出して欲しいというが、その心の闇の正体を語ろうとはしない。金に釣られて引き受けてしまったおれに、男は必要経費として100万円だけ残し、帰って行く。男を尾行したおれは、自分とは別に水の足跡が男の後をつけているのに気が付く。(「表題作」)

 他1編を収録した面白くもちょっと切ないヒューマンファンタジー集。(徳間書店 640円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した