ホンネで選んだ住みたくない街の徹底ガイド
逢阪まさよしなど著「首都圏住みたくない街」(駒草出版 2200円+税)は、月間100万PVという大人気サイト「東京DEEP案内」を書籍化したものである。
貧困層地区、カルト宗教施設、不良外国人居住区など、大きな声では言いにくい街のネガティブ情報に焦点を当てながら、住みたくない街をあぶり出している。
住みたくない街の見分け方にはいくつかのポイントがある。ひとつは、駅前にある喫茶店チェーンの禁煙席と喫煙席の配分だ。ヤンキーだらけの地域では、どうしても喫煙席が多くなる。ドトールなどはどこでも喫煙所のようなものだろうと思うかもしれないが、治安のよい地域では、完全禁煙の店舗も増えている。
書店も要チェックだ。書籍の種類はその街の知的レベルを露骨に反映する。知識層の多い街には専門書の扱いも豊富な書店が立ち並ぶ。しかし民度の低い街では、中身の薄い雑誌やエロ本、コンビニの500円本ばかりがやたらと豊富な書店が珍しくない。
敷金・礼金を必要としない「ゼロゼロ物件」が多い地域もリスキーだ。通常の賃貸物件では入居審査に引っかかるようなカネのないブラックな入居者が多くなり、貧困層の受け皿になるため、街の性格もおのずと決まってしまうという。
あらゆる条件を考慮し、ヤンキーが多い「DQN度」や、暴力団事務所の多い「アウトロー度」、ひったくりや路上強盗の件数が多い「治安最悪度」などを独自に分析した結果、本書が住みたくない街1位に挙げているのが、埼玉県の八潮である。
廃棄物処理業者やスクラップ工場、ラブホテル街などが集中し、流れ者や外国人労働者が非常に多い。八潮駅近くの貸倉庫には、旧オウム真理教の残党が集団生活を続けているという。さらに、複数の暴力団組織が入り込んでおり、予備軍であるヤンキーたちの乱闘事件も起きている。つくばエクスプレスが開業しているが、悪条件の重なる土地のせいか、駅徒歩圏内3LDK新築マンションが3000万円以下という低価格で販売されているそうだ。
「住みたい街」として名高い吉祥寺も、不良外国人による犯罪の多さなどで住みたくない街17位にランクイン。“住めば都”になるのか、自己判断でお願いしたい。