「一度は読んでおきたい現代の名短篇」湯川豊著

公開日: 更新日:

「読む愉しみ」が満喫できる短編小説を厳選して紹介する文学ガイド。

 まず取り上げられるのは、文章に全く無駄がなく、「短編の鑑」と称賛する松本清張の「張込み」。何度か映像化もされて、張り込みをする刑事の緊張感を主体にした推理小説と思われがちだが、この作品はそういうものではないという。殺人犯を追う刑事が、現在は年上の夫と継子と暮らす犯人の元恋人の家を張り込むというストーリーを紹介しながら、作者は主人公の若い刑事がその女を見る視線を通して、人間が背負っている悲しみを描いていると解説する。その他、2人にしか見えない駅のホームの柱に生えるキノコを通して若い女性とヤクザの心の交流を描く三浦しをん著「柱の実り」など、44編を案内。

(小学館 860円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる