「百貨店の展覧会」志賀健二郎著

公開日: 更新日:

 百貨店といえば高品質商品を販売しているというイメージがあるが、一方で、販売を目的としない文化的な催し物を頻繁に行ってきた。その歴史は1904年の三越に始まり、特に戦後は都心の百貨店が競うように取り組んだ。

 展示されたものは多岐にわたる。国宝級の美術品のみならず、今では多くの美術館で当たり前に扱われている写真、映像、漫画などサブカルチャー的な展覧会も比較的早い時期から展示していた。

 そして50年代からは寺社展を中心に国宝・重文などの文化財による展覧会を頻繁に開催してきた。

 こうした展覧会は企業の社会貢献といった肩肘張ったことでなく、日常の営業の中で行われてきたという。

 百貨店展覧会の歴史を網羅的にまとめた貴重な記録。 (筑摩書房 2500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる