「罪人が祈るとき」小林由香著

公開日: 更新日:

 11月6日の呪い。週刊誌が取り上げた記事には、ある少年、そして翌年同日にはその母、さらにその翌年には少年のクラスメートの死が報じられた。本当に呪いなのかと。

 主人公は妻と息子を失った風見啓介、そして息子の同級生で、加害者の少年のひとりにひどい暴力とかつあげを受けている時田祥平。

 ある日、いつものように上級生の竜二とその取り巻きに脅されていた祥平の前にピエロが現れ、あっという間に3人を打ち倒した。そして、祥平の打ち明け話を聞いてくれる。そして言った。「私が殺してあげる」と。

 その日からピエロと祥平の殺害計画が進行する。まず血祭りにあげられたのが竜二。しかし祥平は、その場に居合わせなかった。続く2人の死。

 罪と死を見つめたヒューマン小説。

(双葉社 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇