「サイコパスの真実」原田隆之著
心理技官として長年犯罪者と向き合ってきた著者が、サイコパスについて解説したテキスト。
サイコパスとは「良心を欠いて生まれた人々」。俗にサイコパスについて、「凶悪な連続殺人事件に加担する者」「知能が高い」「悲惨な家庭環境で育った者が多い」などと語られるが、すべて事実とは異なる。人口の1%から数%いると見積もられ、その圧倒的大多数は、シリアルキラーでもなければ、犯罪者ですらない。サイコパスは一般の人々と異なるさまざまな特徴があるが、専門家以外が見分けることは難しいという。実際に出会った彼らの素顔を紹介しながら、サイコパスの具体的な特徴を解説。
悪とは何かという根源的な問いかけをわれわれに投げかけてくるサイコパスの闇に迫る。
(筑摩書房 820円+税)