「人口減少社会の未来学」内田樹編
日本はこれから80年間でおよそ7000万人近く減る一方で、東京一極集中が加速し、ますます地方の人口減少は深刻化するとされている。
だが、地域エコノミストの藻谷浩介氏は異論を唱える。その地域の親世代の数と乳幼児の数を比較し、次世代がきちんと再生されているかどうかを数値化した「次世代再生力」で見ると、後期高齢者の絶対数が増え続ける東京などの都会より、高齢者の数が増えなくなり、少子化の傾向が止まった地方にこそ生き残りの可能性があるのだ。
ほかに、イギリス在住22年の経験から「縮小社会は楽しくない」と断言するブレイディみかこ氏、「若い女性に好まれない自治体は滅びる」と言う劇作家の平田オリザ氏や、小田嶋隆氏、姜尚中氏ら11人がさまざまな視点から、人口減少社会の未来についてムードに流されない、刺激的な論考を寄稿。
(文藝春秋 1600円+税)