「がん消滅」中村祐輔著
21世紀に入ってがん治療を取り巻く環境は大きく変わった。20世紀のがん治療は、外科・薬物・放射線の3大療法だった。著者はゲノム情報を核として、リキッドバイオプシー・免疫療法・人工知能を活用することで、がん治療に革命が起き、現在の5年生存率60%強が、10年以内に80%近くまで改善するという。今後、がんの検査や治療がどのように変わっていくのかを解説したメディカルテキスト。
その革命を可能にしたのがDNA解析技術の進歩だ。その技術を用いて「血液などの液体を使ってがんを見つける」検査方法がリキッドバイオプシーだ。さらに、この検査方法と人工知能による予測システムによって、実用化が近づく免疫療法「ネオアンチゲン療法」の実際を紹介する。
(講談社 900円+税)