「あいちトリエンナーレ『展示中止』事件」岡本有佳、アライ=ヒロユキ編

公開日: 更新日:

 あいちトリエンナーレ2019の一企画「表現の不自由・その後」は公共施設などで検閲・規制された作品を展示する企画だったが、3日後に中止に。菅官房長官による補助金不交付の示唆、河村名古屋市長による展示撤去の要請があったためだ。不自由展には日本軍の慰安婦となった韓国人女性を表現した「平和の少女像」などが展示されたが、国民の支持しない作品を展示するのはおかしいという。

 不当な攻撃により表現を奪われた者たちの表現の場・機会をつくることがコンセプトだったのに、津田大介芸術監督は「これだけの騒ぎになって、議論を喚起する目的は達した」と、出品作家に説明も相談もせず中止を決めた。美術展の「検閲」の実態をえぐる一冊。

(岩波書店 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド