山口祐二郎という右翼はなぜ排外主義者と闘うのか 近著を読む

公開日: 更新日:

 巻末には対談が2つ。一つ目はこれまでのネット右翼を長年取材している安田浩一だ。安田とは、排外主義者と手をくみ出した戦後右翼のありようを考えていく。

<何より危機感を持っているのは、それなりに力がある既存右翼がネトウヨとくっついて、ヘイトスピーチに加担していること>(山口)

<今の自民党内に、日本第一党と変らない差別・排外主義者はいっぱいいるでしょう? つまり、自民党はネトウヨというマーケットを掘り起こして、カバーしているわけです>(安田)

 二つ目の対談は、モナド新書の版元である「にんげん出版」の代表、小林健治。小林は被差別部落差別のど真ん中で戦ってきた筋金入り。部落解放同盟で活動し、袂を別った小林は差別を糾弾する運動が弱くなったと指摘する。

<在特会みたいなカルト差別集団をリアル世界に生み出してしまった責任の一旦は、わしらにあるんじゃないかということ。かつての部落解放運動ならば、目の前に在特会みたいな奴が「韓国人、死ね、殺せ」なんてひとこと言おうものなら、身体を張って実力で止めさせるでしょう? 

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情