「オムニバス」誉田哲也著

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 葛飾警察署特別捜査本部の姫川玲子は、女子大生、長井祐子が殺された事件で大村敏彦を取り調べている。

 大村は別件の佐久間健司殺害で逮捕され、本所警察署に留置されていたが、佐久間殺しは認めても、なぜか祐子の殺害は認めない。佐久間の件を認めれば、正当防衛か傷害致死で普通の殺人より刑が軽くなると本所署で言われたのではないかと玲子はにらんでいた。

 現場に大村の指紋があったのだが、決め手は大村のバイト先のビデオ店店長の証言だった。大村が会員の登録データをプリントアウトしていた可能性があるというのだ。(「それが嫌なら無人島」)

 個人情報の漏洩やストーカーなど、いかにも現代的な事件に挑む女性刑事を描く警察小説7編。

(光文社 1500円+税)

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