「怖くて眠れなくなる植物学」稲垣栄洋著

公開日: 更新日:

 不思議と謎に満ちた植物の生態を紹介するサイエンスエッセー。

 植物の世界ではクローンが当たり前。種子を作らず、球根が分かれて増えていくヒガンバナは、中国から渡来した縄文時代からずっと生き続けていることになる。このように植物では「命」や「寿命」という概念がはっきりしていないという。ありとあらゆるものに使われるトウモロコシだが、実はその栽培植物のもとになった野生種が見つかっておらず、宇宙からやってきたという都市伝説まであるそうだ。

 他にも「非脱粒性」(種子が熟しても地面に落ちない)という小麦の突然変異がもたらした人類の大転換、光を求めてジャングルの中を歩き回る「ウォーキングパーム」など。誰かに話したくなるエピソードが満載。

(PHP研究所 814円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇