「ロシアの眼から見た日本」亀山陽司著
「ロシアの眼から見た日本」亀山陽司著
元外交官が、日ロ関係の歴史を振り返りながら、ウクライナ侵攻によって揺れ動く世界の政治力学を考察したテキスト。
クリミア併合とウクライナ侵攻を強行したプーチン大統領の国際社会における行動は日本人には異常としか感じられない。しかし、ロシア国民はプーチン大統領を強く支持している。では、反対にロシア国民の目には日本と日本人はどのように見えているのだろうか。
著者の体験によると相反する2つの見方があるという。1つは、独自の文化を育む尊敬すべき国、もう1つはアメリカの「衛星国」となってアメリカ帝国主義の片棒を担いでいるというもの。
こうしたロシアの日本観を手掛かりに、日本が地政学的な国際システムの中でどのように行動すべきか考察する。
(NHK出版 1078円)