(15)千加の表情に決死の思い
さきほどから千加と與之助は、息苦しいほどの小さな息をつき、沈黙を続けている。
千加の膝前には、出来上がった銀のかんざしが紫の袱紗の上に置かれている。
千加がお客から受けたかんざしが出来上がり、それを受け取りに来たのだが、
「私にしばらく剣術を教えていただけ…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り987文字/全文1,127文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】