(16)相対して息を整えすっくと立つ
まもなく二人は伊勢崎町の北仙台河岸に出た。
千加も與之助も襷掛けだ。しかも千加は、しごきで着物の裾を短くしていて足元も草履である。
なにやら緊迫した空気を纏っているが、河岸の隅には一本の桜の木が植わっていて、今花は真っ盛りだ。
桜の木はこの仙台堀を掘り、…
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