「春のたましい」黒木あるじ著
「春のたましい」黒木あるじ著
ケンジとヨッチンは黒ずくめの女が気になっていた。村長と副村長に、女は「九重十一」と名乗り、祭祀保安協会から学校の7不思議を調査するために来たと言った。7不思議が8になってしまうと均衡が崩れるので、1つを処分する。「だまされんなッ!」とヨッチンが叫ぶと、突然、猛烈な風が吹いてきてヨッチンが消えた。
九重は図書室に行くと、卒業記念文集を見つけ出す。そこには出羽原小学校の7不思議が書かれていたが、8つ目が追加されていた。神隠しにあった男子生徒の名を呼ぶと、その子が現れる。その名は「高宮健二」。(「春と殺し屋と七不思議」)
過疎化のため、祭りがなくなった地域で暴れだす神々を鎮める女の物語。
(光文社 2090円)